星と星がつながるように、人とのつながりが人生を広げていく―『センス・オブ・ワンダー』と上高地の夜空―



あなただけの幸せを
一緒に探すカウンセラーのじろうです。



2年前の6月、オンラインの読書会に参加しました。


1対1で、お互いに本を紹介し合う会でした。


僕が紹介した本は、
レイチェル・カーソン著の『センス・オブ・ワンダー』。


60ページほどの内容に、
写真も散りばめられていて、
とても読みやすい本です。


・自然に触れることの大切さ
・子どものころの感性を取り戻す大切さ
・神秘さや不思議さに心を開くことの大切さ


そんなことを感じさせてくれる本でした。


本の紹介後、お相手の方が言いました。


「この本に出てくるような自然が、日本にもありますよ」


それが、長野県にある「上高地」でした。


実はその方は、以前に上高地で、
ネイチャーガイドとして働いていたことがある方でした。


話を聞いているうちに、
「そんな場所があるなら行ってみたい」
という気持ちが自然に湧いてきました。


そして、その勢いのまま、
日程を決め、ホテルを決め、上高地へ行くことにしました。


今思うと、少し不思議な流れでした。


読書会で本を紹介しただけ。
そこで出会った方と、少し話をしただけ。


でも、その小さな会話が、
実際に上高地へ行くという行動につながりました。


人生は、こういう何気ない出来事から、
思わぬ方向へ広がっていくのかもしれません。


読書会から3ヶ月後の9月。


上高地は、バスでしか入れない場所でした。

個人の車では、自由に出入りができなくて、
そこには、守られた自然がありました。


バスを降り、上高地を味わう。


空気がとてもおいしい。
川の水も透き通っている。
歩いているだけで気持ちいい。


ただ散歩をしているだけなのに、
身体の中が少しずつ澄んでいくような感覚がありました。


日常の中で、僕たちは知らないうちに、
たくさんの音や情報に囲まれています。


でも、上高地で過ごす時間は、
その余分なものが少しずつ落ちていく感じがしました。


その日の夜、星空ツアーに申し込みました。


「曇り空だから、星が見れないかもしれない」


そう言われたけれど、
まずは目的地まで歩いて向かうことになりました。


ガイドさん2名と僕と妻、4人のツアー。


森の中に入ると、明かりは一切ありません。
手がかりは、手に持ったライトだけ。


しばらく歩いたところで、
「ライトを消しましょう」
とガイドさんに言われました。


消した瞬間、真っ暗に。
目を開けているのに、何も見えない。
目が慣れてきても、やっぱり見えない。


妻が目の前にいるはずなのに、
視覚を奪われ、気配も消えて、
そこにいる感覚が信じられなくなる。


聞こえるのは、遠くに流れる川の音と、
木々を揺らす風の音だけ。


人生で初めての感覚でした。


「真っ暗闇」とは、
こういうことなのかと思いました。


そこには、喜びもありました。


普段の生活では決して味わえない
暗さと静けさの中で、


自分という存在が暗闇に溶けて、
自然と一体になっていくような感覚がありました。


でも同時に、怖さもありました。


あまりにも見えない。
目が暗闇に慣れたはずなのに、
それでも何も見えない。


自然に溶けていきたい自分と、
飲み込まれることを怖がる自分。


その両方が、確かにいました。


その怖さがあったからこそ、
僕は暗闇の中に手を伸ばしました。


そして、何とか妻に触れることができた。


その時、自分という存在の輪郭がふっと浮かび上がり、
「自分は確かにここにいる」
と感じられました。


見ること。
触れること。


こうやって相手を認識することで、
自分の存在も認識していたのかもしれません。


自然と自分。
他者と自分。


その境目を教えてくれるものとして、
暗闇はそこにありました。


自然は美しい。
でも、美しいだけではない。


暗さ。
静けさ。
分からなさ。
自分の不確かさ。


それらを突きつけてくる偉大さと、
すべてを包み込むような雄大さ。


その両方を持つ存在、
それが「自然」なのだと思いました。


暗闇の森を抜けた先にあった、
「岳沢湿原」という場所へたどり着きました。


そして、空を見上げました。


森に入る前は、星が見えない曇り空でした。


でも、そこには、
空一面の星が広がっていました。


プラネタリウムでしか見たことがないような星空が、
目の前にありました。


ガイドさんが、
「あれが天の川ですよ」
と教えてくれました。


僕はその時、
初めて肉眼で天の川を認識しました。


ただ「きれい」という言葉だけでは、
少し足りない気がしました。


でも、そこに合う言葉を
僕は知りませんでした。


森の中で感じた暗闇の怖さ。
その先で出会った、空一面の星。


怖さと美しさが、
同じ自然の中にありました。


ガイドさんが、星の話をしてくれていました。


その星空を見ながら、思いました。


昔の人は、こんな夜空を
当たり前のように見ていたのかもしれない。


星と星をつなぎ、
星座をイメージし、
物語を作り出して、
仲間と共有していたのだろうか。


なんて素敵で、
ロマンチックな時間なのだろうと思いました。


星座は、夜空を見上げながら、
人と人が語り合う中で生まれてきたものなのかもしれない。


これだけきれいに星が見えるからこそ、
星と星をつなぎたくなった。


そこに物語を見たくなった。
人と分かち合いたくなった。


自然の美しさは、
人間の想像力や物語る力を育ててきたのだと思いました。


この旅の始まりは、
読書会の一コマでした。


『センス・オブ・ワンダー』を紹介した。

その本をきっかけに、上高地を教えてもらった。

その人との出会いが、実際の旅につながった。

そして、その旅が暗闇と星空につながった。


星と星がつながって星座になるように、
人と人がつながることで、人生の景色も広がっていく。


出来事の一つひとつは、
とても小さな点。


本を読む。
人と話す。
興味を持つ。
行ってみる。


でも、その点と点がつながった時、
思いがけない景色に出会えることがあります。


好奇心や興味は、
また次の好奇心を連れてきてくれる。


そうやって人生は、
少しずつ広がっていくのかもしれません。

・自然の中で心を整えたい方
・好奇心を大切にしたい方
・自分の感性をもう一度取り戻したい方



どうぞ、お気軽にご相談ください。





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