箱庭療法の体験談|3回の箱庭で見えてきた安心・挑戦・未来



あなただけの幸せを
一緒に探すカウンセラーのじろうです。



カウンセリングルーム稲穂では、
一般的な対話を中心としたカウンセリングに加えて、
箱庭を取り入れたカウンセリングも行っています。


箱庭療法とは、
砂の入った木箱の中に、
人形や動物、建物、自然物、宝石、乗り物など、


様々なおもちゃを自由に置きながら、
自分の内側にある思いや感覚に触れていくものです。


「何を置けばいいんだろう」
「うまく作れなかったらどうしよう」
「何か深い意味を読み取られるのかな」


初めて箱庭療法を知った方は、
少し不安になるかもしれません。


でも、箱庭は上手に作るものではありません。
正解を出すものでもありません。


ただ、気になるものを手に取り、置いてみる。

砂に触れてみる。

できあがった箱庭を眺めてみる。


その中で、言葉だけでは整理しきれなかった気持ちや、
自分でもまだ気づいていなかった思いが、
少しずつ形になって見えてくることがあります。


今回は、Aさんが3回にわたって箱庭を体験された感想をもとに、
箱庭を通してどのような気づきや変化があったのかを紹介します。


Aさんは、1回目の箱庭を
「気づきの宝箱」


2回目の箱庭を
「超・俯瞰。〜私を見ている私を見てみた〜」


3回目の箱庭を
「理想の未来と、そこから感じた今年1年の歩み」


と表現してくれました。


3回の箱庭を振り返ると、そこには、

安心に気づく時間

挑戦の一歩を考える時間

自分を満たす未来を描く時間


という流れがありました。


※掲載にあたっては、ご本人の許可をいただいた上で、個人が特定されないよう、お名前や一部表現を調整しています。記事内では「Aさん」と表記しています。

ここから、箱庭の時間が始まります。


通常の対話中心のカウンセリングでは、
気持ちを言葉にすることが大切になる場面があります。


でも、心の中にあるものは、
いつもすぐに言葉になるとは限りません。


なんとなく苦しい。

何に悩んでいるのか、自分でもよくわからない。

頭ではわかっているのに、気持ちがついてこない。

話そうとすると、言葉が詰まってしまう。


そんな時、無理に言葉だけで整理しようとすると、
かえって苦しさが強くなってしまうこともあります。


箱庭では、
まず砂に触れたり、
おもちゃを選んだりしながら、
自分の感覚に近づいていきます。


気になるものを置いてみる。
なぜか置きたくないものに気づく。
置いた後に少し離れて眺めてみる。


その一つひとつが、
自分でも気づいていなかった思いに
触れるきっかけになることがあります。


箱庭に表現されたものを、
「これはこういう意味です」と決めつけるのではなく、
本人の感じ方を大切にしながら、一緒に眺めていきます。


「これは何だろうね」
「ここに置きたくなったんだね」
「今見てみると、どんな感じがする?」


そんな対話の中で、
少しずつ本人の中から言葉が生まれてくる。


それが、箱庭の大切な時間だと思っています。

目線が変われば、見え方も変わる。


ここからは、実際にAさんが作った箱庭と、
その後の感想などを交えてお伝えしていきます。


そもそも、Aさんが初めて箱庭を受けてみようと思った理由は、
「気持ちを整理して、これからどうしたいのかを見つめ直したいと思ったから」
でした。


体験前は、自分の気持ちがどんな風に表れるのかを楽しみにしていました。


もちろん最初は、どのおもちゃを選んでいいのか迷いもあったそうです。


けれど、自分の気持ちにしっくりくるものを見つけたとき、
嬉しさが生まれ、だんだん夢中になっていったと話してくれました。


箱庭の面白いところは、
最初から明確な答えを持っていなくてもいいところです。


「これが正解かな」
「こう作らなきゃいけないのかな」


そんな風に考えなくても、

手が伸びるもの、
気になるもの、
なぜか置きたくなるもの。


そんな感覚の中に、
その人らしい意味が隠れていることがあります。

砂の上に並んだものたちが、まだ言葉にならない思いを見せてくれました。


完成した箱庭を見たとき、
Aさんは、自分の中に隠れていた対立する思いや、
「こうじゃなきゃダメ」
という思い込みに気づきました。


苦しさの原因が少しずつ明確になることで、


「それは苦しいよね」
「そりゃ動けないよね」


と、今の自分の状態に納得できたそうです。


自分を責めるのではなく、
自分の苦しさに理由があったとわかること。


それだけでも、心は少しほっとします。


1回目の箱庭を終えたあと、
Aさんは、視野が広がり、
思い詰めていた気持ちが軽くなったと話してくれました。


そして、
足りないものだけではなく、
すでに自分にあるもの
にも気づけたことで、
安心感も生まれたそうです。


その中で生まれた、
自分へのメッセージがありました。


帰ってこれる安全な場所があるから、安心して挑戦していいんだよ。

これまでの人生で得てきたものもたくさんあるよ。

オンリーワンで素敵な人たちに、これからも出会っていこう。

帰ってこられる場所があるから、安心して外の世界へ向かっていける。


これらの言葉は、
箱庭の大切な魅力を表しているように思います。


無理に前向きになろうとしなくてもいい。

無理に行動しようとしなくてもいい。

まずは、自分の中にある安心に気づくこと。


安心できる場所があると、
人は少しずつ外の世界へ向かっていけます。


Aさんにとって、
1回目の箱庭は、まさに
「気づきの宝箱」
のような時間でした。


1ヶ月後、
2回目の箱庭体験では、
Aさんは前回よりもリラックスしていました。


「今日はどんなものができるのだろう」


そんなワクワクした気持ちで、
箱庭に向かっていました。


前回との違いは、
よりマイペースに取り組めたこと。


最初は特に何かを表現しようとせず、
ただ砂に触れていました。


それだけで心が落ち着いた、
と話してくれました。


砂に触れる。
おもちゃを見る。
気になったものを手に取る。
砂の上に置いてみる。
少し離れて見てみる。


あれこれ思考して頭を動かすのではなく、
手を動かし、身体を動かしていく中で、
自分本来のペースが戻ってくることがあります。


子どもの頃、
夢中で砂場あそびをしていたときのように。


箱庭には、
大人になる中で忘れていた感覚を、
少し思い出させてくれるような時間があります。

散らばっているように見えるものの中にも、これからの土台が見えてきました。


2回目の箱庭では、
前回の学びがあったからこその迷いや葛藤が見えてきました。


1回目では、

・帰れる場所があるから、安心して挑戦していい。

・No.1にこだわらなくていい。


という許可が生まれました。


そして、2回目では、その先にある、
「では、最初の一歩をどう踏み出すのか」
というテーマが見えてきました。


何かに挑戦しようとするとき、
純粋に「やりたい」という気持ちだけではなく、
誰かに認められたい気持ち
も一緒についてくる。


そのことに、Aさんは気づきました。


承認欲求があること自体が悪いわけではありません。


・誰かに見てほしい。
・認めてほしい。
・「すごい」と言ってほしい。


そういう気持ちは、
誰の中にもあるものです。


けれど、挑戦の中心に置きたいものは、


まずは、
自分が楽しいと思えること。
自分がやってみたいと思えること。



Aさんは、箱庭を通して、
挑戦するときの自分なりの優先順位に気づいていきました。


2回目の自分へのメッセージは、


まずは楽しいと思うことを、自由に表現してみよう!
でした。


また、継続して箱庭を受ける良さについて、
Aさんは、

・自分の小さな変化や成長を実感できること
・一緒に眺めながら対話することで自己理解が深まること

を挙げてくれました。


前回は選んだのに、今回は選ばなかったもの。

前回は必要だったけれど、今回は必要ではなかったもの。

前回とは違う場所に置きたくなったもの。


そうした小さな違いにも、
意味があることがあります。


Aさんは、あるおもちゃの土台について、
「前回は必要だったけれど、今回は違う気がした」
という感覚を振り返りながら、


他人の立派な土台を借りるのではなく、
これから自分に合った土台を作っていけばいい


という気づきにたどり着きました。

他人の土台を借りるのではなく、自分に合った土台を少しずつ作っていく。



もう一つ印象的だったのは、
散らばった積み木を見たときの気づきです。


Aさんは、対話の中で、
散らばった積み木を見て
「しょうもない」
と言った自分に驚きました。


きれいに積み上がっていないだけで、
そんな風に感じていたことに気づいた。


けれど、改めて見つめ直すと、
それは今の自分を作ってくれた大切なものたちでもありました。


きれいに並んでいないもの。
完成していないもの。
まだ途中の状態に見えるもの。


それらも、自分の一部です。


完璧に積み上がっていなくても、
そこにはちゃんと、これまで歩いてきた意味がある。


2回目の箱庭は、
そんな風に自分を少し離れたところから眺める時間でもありました。


Aさんは、この体験を一言で、


「超・俯瞰。〜私を見ている私を見てみた〜」


と表現してくれました。


自分の頭の中にいる自分を、
もう一人の自分が少し離れて見つめる。


箱庭は、そんな視点を与えてくれることがあるのです。


2回目から1ヶ月半後の12月末、
3回目の箱庭体験では、
始める前に少し不安があったそうです。


今回は、どんなものを作りたいかを事前に決めていなかったため、
「ちゃんと何かしらの形になるんだろうか?」
という気持ちがありました。


けれど、箱庭に入る前に、
最近関心があることについて話したり、
いくつかテーマの選択肢を一緒に確認したりする中で、
方向性が決まり、安心して取り組めました。


3回目の箱庭で表現されたのは、
来年の展望でした。


ファッションを楽しみたい。
美しいものに触れたい。
推し活をしたい。

そのために収入を得て、気持ちよくお金を使いたい。


とてもシンプルで、
でも、とても大切な自分の軸が見えてきました。

好きなもの、美しいもの、楽しい未来へ向かう道が、砂の上に表れていました。


「これをしなければならない」
ではなく、

「これをしたい」
「これが好き」
「これを楽しみたい」


この感覚は、
自分の人生を自分に戻していく上で、
とても大切なものだと思います。


また、仕事についても、ただ
「だるいもの」
「収入を得るためのもの」
としてだけではなく、

「自分の成長の機会を与えてくれる存在」
として見直すことができたそうです。


同じ出来事でも、
見方が変わると、
そこにある意味も変わります。


前回までの流れを経て、
Aさんは、自分が楽しいと思うことやワクワクすることに、
少しずつ時間やお金をかけられるようになってきたと感じていました。


もちろん、不安や恐れがなくなったわけではありません。


思っているより動けないときもある。
これからも、動けない日があるかもしれない。


でも、そこで
「動けない自分はダメ」
と責めるのではなく、


動けないときには、
動けない理由がある。

動けるタイミングを待ってもいい。


そう思えるようになってきたことは、
とても大きな変化だと思います。


3回目の箱庭を通して生まれたメッセージは、


自分の歴史を記録しよう。

ベストじゃなくてベターで変化を楽しもう。

「怖さや不安と一緒に歩んでいこう。

来年も自分を思う存分満たしていこう。


というものでした。

足りないものを埋めるためではなく、自分を満たすために選んでいく。


特に印象的だったのは、
箱庭を通して、未来だけでなく、
この1年の歩みも振り返ることができたことです。


1年前にはなかった心の余裕。
少しずつ生まれてきた余白。


「この調子でいい」
「基本的に私はこれでいい」


そんな実感が、
Aさんの中に育ってきていました。


足りない何かを焦って埋めなくてもいい。
誰かの役に立つ何かを急いで成し遂げなくてもいい。


まずは、
自分がハッピーになること。
自分の気分が上がることを大切にしていい。


これは、自己中心的になるということではありません。


自分を置き去りにしすぎてきた人が、
もう一度、自分の人生の中心に戻ってくる。


そんな自然な回復のプロセスなのだと思います。


Aさんにとって3回目の箱庭は、


理想の未来と、そこから感じた今年1年の歩み


を見つめる時間になりました。


未来を描いたからこそ、
今まで歩いてきた道にも気づけたのだと思います。



箱庭は、自由におもちゃを置きながら、
自分の心を眺めていくような時間です。


うまく作ることよりも、
自分の感覚を大切にしていく時間です。


砂に触れ、
おもちゃに触れ、
自由に置いてみる。


そして、箱庭を眺めていく中で、
自分自身に触れていく。


その中で、自分でも気づいていなかった気持ちが、
少しずつ見えてくることがあります。


Aさんの3回の箱庭には、


1回目は、
安心できる場所に気づくこと。

2回目は、
挑戦の一歩を考えること。

3回目は、
自分を満たす未来を描くこと。


そんな変化の流れがありました。


そして、そのどれもが、
無理に変わろうとした結果ではなく、


「自分を見つめる時間」の中から
自然と生まれてきたものだったように感じます。


箱庭では、
言葉にできないことも、
そのままで大丈夫です。


もし今、

「頭の中がうまく整理できない」
「言葉にしようとすると苦しくなる」
「自分の気持ちがよくわからない」


そんな感覚がある方は、
まずは、砂に触れてみるところからでも十分です。


五感を使うことで、
自分の感覚が少しずつ動き出していきます。


最初から答えを出そうとしなくても、
すぐに変わろうとしなくても大丈夫。


まずは、今の自分にできそうな小さなことから、
始めてみませんか?

サラサラなのか、ザラザラなのか、ひんやりするのか、温かく感じるのか。この砂の手触りは、あなたの手で確かめてみてください。
・言葉にできないモヤモヤを抱えている方
・安心できる場所の中で、自分を見つめたい方
・なんだか砂場あそびをしてみたくなった方



どうぞ、お気軽にご相談ください。


【あとがき】


ここまで読んでくださって、
ありがとうございます。


お風呂で温かいお湯に包まれる。
ベッドでお布団に包まれる。
ハグで人の温もりに包まれる。
赤ちゃんがおくるみに包まれる。


僕らがリラックスして心を休めるときには、
そこに安心感があります。


箱庭も、
どこかそれに近いものなのかも。


砂やおもちゃたちが、
あなたをそっと包んでくれているような。


そんな安心感の中で、
少しずつ自分の心を見つめていく。


頭で考えていることと、
心が感じていることは、
必ずしも一緒じゃないんですよね。


だからこそ、
言葉だけでは届かなかった部分に、
箱庭はそっと触れさせてくれることがあります。


安心できる場所があるから、

自分を見つめたり、
挑戦したり、
未来を描いたりできる。


Aさんの3回の箱庭を通して、
改めてそんなことを感じました。


僕がまた鳥取へ行くとしたら、
2回目だから、先月より安心していけるはずだ。


そしたら、
鳥取砂丘で箱庭に挑戦するのもありかな🌾

人がまるでミニチュアサイズに感じる箱庭になるね。





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